命題29
「平行線と交わっている1つの直線は錯角を互いに等しくさせ、外角を内対角と等しくさせ、同じ側にある内角の和を2直角と等しくさせる。」
平行線AB、CDと交わっている直線EFとせよ。
それが錯角AGH、GHDを等しくさせ、外角EGBを内対角GHDと等しくさせ、同じ側にある内角、すなわちBGHとGHDの和を2直角と等しくさせることをいう。
角AGHが角GHDと等しくないならば、それらのうちの一方は大きい。大きい方を角AGHとせよ。
おのおのに角BGHを加えなさい。それゆえ、角AGHとBGHの和は角BGHとGHDの和より大きい。
しかし、角AGHとBGHの和は2直角と等しい。それゆえ、角BGHとGHDの和は2直角より小さい。命題T.13
しかし、2直角より小さい角から無限に延ばされた直線は交わる。それゆえ、ABとCDは無限に延ばされるならば、交わるだろう。しかし、それらは仮定によって平行であるので、交わらない。公準T.5
それゆえ、角AGHは角GHDと等しくないことはない。ゆえに等しい。
また、角AGHは角EGBと等しい。それゆえ、角EGBも角GHDと等しい。命題T.15,共通概念T.1
おのおのに角BGHを加えなさい。それゆえ、角EGBとBGHの和は角BGHとGHDの和と等しい。
しかし、角EGBとBGHの和は2直角と等しい。それゆえ、角BGHとGHDの和も2直角と等しい。命題T.13
それゆえ、平行線と交わっている1つの直線は錯角を互いに等しくさせ、外角を内対角と等しくさせ、同じ側にある内角の和を2直角と等しくさせる。
証明終了