命題9
「線分が等しいおよび不等な部分に分けられるならば、不等な部分の上の正方形の和はもとの線分の半分の上の正方形と2つの区分点の間の線分上の正方形の和の2倍である。」
点Cで等しい部分に、点Dで不等な部分に分けられた線分をABとせよ。
AD、DB上の正方形の和はAC上の正方形とCD上の正方形の和の2倍であることをいう。
CからABに直角になるCEをひき、それをAC、CBのどちらかと等しくさせなさい。EAとEBを結びなさい。Dを通って、ECと平行なDFをひき、点Fを通って、ABと平行なFGをひきなさい。AFを結びなさい。
そのとき、ACはCEと等しいので、角EACも角AECと等しい。
そして、Cにおける角は直角なので、残りの角EACとAECの和は直角と等しい。命題T.32
そして、それらは等しいので、角CEAとCAEは直角の半分である。
同様な理由で、角CEBとEBCも直角の半分である。それゆえ、角AEB全体は直角である。
そして、角GEFは直角の半分で、角EGFが内対角ECBと等しいことから直角なので、残りの角EFGは直角の半分である。それゆえ、角GEFは角EFGと等しい。ゆえに、辺EGも辺GFと等しい。命題T.29,命題T.32,命題T.6
また、Bにおける角は直角の半分で、角FDBが内対角ECBと等しいことから直角なので、残りの角BFDは直角の半分である。それゆえ、Bにおける角は角DFBと等しい。ゆえに、辺FDも辺DBと等しい。命題T.29,命題T.32,命題T.6
いま、ACはCEと等しく、AC上の正方形もCE上の正方形と等しいので、AC、CE上の正方形の和はAC上の正方形の2倍である。
しかし、EA上の正方形はAC、CE上の正方形の和と等しい。なぜなら、角ACEは直角である。それゆえ、EA上の正方形はAC上の正方形の2倍である。命題T.47
また、EGはGFと等しいので、EG上の正方形もGF上の正方形と等しい。
それゆえ、EG、GF上の正方形の和はGF上の正方形の2倍である。
しかし、EF上の正方形はEG、GF上の正方形の和と等しいので、EF上の正方形はGF上の正方形の2倍である。
しかし、GFはCDと等しいので、EF上の正方形はCD上の正方形の2倍である。命題T.34
しかし、EA上の正方形もAC上の正方形の2倍なので、AE、EF上の正方形の和はAC、CD上の正方形の和の2倍である。
そして、AF上の正方形はAE、EF上の正方形の和と等しい。なぜなら、角AEFは直角である。それゆえ、AF上の正方形の和はAC、CD上の正方形の和の2倍である。命題T.47
しかし、AD、DF上の正方形はAF上の正方形の和と等しい。なぜなら、Dにおける角は直角である。それゆえ、AD、DF上の正方形の和はAC、CD上の正方形の和の2倍である。命題T.47
そして、DFはDBと等しい。
それゆえ、AD、DB上の正方形の和はAC上の正方形とCD上の正方形の和の2倍である。
それゆえ、線分が等しいおよび不等な部分に分けられるならば、不等な部分の上の正方形の和はもとの線分の半分の上の正方形と2つの区分点の間の線分上の正方形の和の2倍である。
証明終了