命題68
「優線分と通約可能な線分はそれ自身も優線分である」
CDが優線分である事を示す。
ABをEで分ける。 そのとき,AEとEBは平方において通約不可能な直線であり,AE上,EB上の正方形の和は有理で,AE,EBでできた長方形は中項である。 ].39
前と同様に作図する。
ABがCDに対するように,AEはCFに対し,EBはFDに対するので,ゆえにAEがCFに対するようにEBはFDに対する。 X.11
また,ABはCDと通約可能であり,ゆえに,AEとEBはそれぞれCF,FDと通約可能である。 ].11
AEがCFに対するようにEBがFDに対し,入れ替えて,AEがEBに対するようにCFはFDに対するので,ゆえにABがBEに対するようにCDはDFに対する。 X.16 X.18
ゆえに,AB上の正方形がBE上の正方形に対するように,CD上の正方形はDF上の正方形に対する。 Y.20
同様に,AB上の正方形がAE上の正方形に対するようにCD上の正方形はCF上の正方形に対する。ゆえに,AB上の正方形がAE上,EB上の正方形に対するようにCD上の正方形はCF,FD上の正方形に対する。ゆえに,それぞれ互いに,AB上の正方形はCD上の正方形に対し,AE上,EB上の正方形はCF上,FD上の正方形に対する。 X.16
また,AB上の正方形はCD上の正方形にと通約可能なので,ゆえにAB上,EB上の正方形はCF上,FD上の正方形と通約可能である。
AE上,EB上の正方形はともに有理で,ゆえにCF上,FD上の正方形もともに有理である。
同様に,長方形AE,EBの2倍は長方形CF,FDの2倍と通約可能である。長方形AE,EBの2倍は中項なので,ゆえに長方形CF,FDの2倍も中項である。
よって,CFとFDは平方において通約可能な直線で,同時に,それらでできた正方形は有理で,それらを含む長方形は中項である。ゆえに,全体のCDは無理線分で優線分と呼ばれる。 ].39
ゆえに,優線分と通約可能な線分は優線分である。
証明終了