命題12

同じ量と通約可能な量はそれらも互いに通約可能である。

量Aと量Bはそれぞれ量Cと通約可能であるとする。

AとBも通約可能であることを示す。

AとCは通約可能なのでAはCに対して数であらわせる比をもつ。 それをDのEに対する比とする。

さらに,CはBとも通約可能なので CはBに対しても数であらわせる比をもつそれを FのGに対する比とする。 Ⅹ.5

そして,数で与えられた比すなわちDのEに対する比と FのGに対する比に連続して数H,K,Lで比を与える。

つまり,DがEに対するようにHはKに対し, FがGに対するようにKがLに対する。 Ⅷ.4

AがCにたいするようにDがEに対し, DがEに対するようにHはKに対する

ゆえに,AがCに対するようにHはKに対する。 CがBに対するようにFがGに対し FがGに対するようにKがLに対する。

ゆえにCがBに対するようにKはLに対する。 Ⅴ.11

AのCに対する比はHのKに対する比に等しく。 AのBに対する比はHのLに対する比に等しい。 Ⅴ.22

ゆえに,AはBに対して数であらわせる比をもつ。

Ⅹ.6

証明終了


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