命題41
平方において通約不可能な二つの直線上の正方形の和が,
中項面積であり,
その二つの直線が中項な長方形に含まれ,
その長方形とそれぞれの直線上の正方形の和が,
通約不可能であるとき,
加えられた全体の直線は無理である。
これを二つの中項面積の和に等しい正方形の辺と呼ぶ。
平方において通約不可能な二つの直線をAB,BCとし,
与えられた条件を満たしたものを加えるとする。
].35
ACが無理であることを示す。
DEを有理線分とする。
DE上にAB,BC上の正方形の和と等しくなるようにDFをとり,
また,DE上に長方形AB,BCの二倍と等しくなるように,GHをとる。
このとき全体のDHはAC上の正方形に等しい。 U.4
AB,BC上の正方形の和は中項で,DFと等しい。
よって,DFも中項である。
そしてそれは有理線分DE上にある。
よって,DGは有理で,DEと長さにおいて通約不可能。
同様にして,GKも有理でGFつまりDEと長さにおいて通約不可能。 ].22
AB,BC上の正方形の和は長方形AB,BCの二倍と通約不可能なので,
DFはGHと通約不可能。
そして,それらは有理,
よって,DGとGKは有理で平方においてのみ通約可能。
よって,DKは無理,そしてそれを二項線分と呼ぶ。 ].36
ここで,DEは有理,よって,DHは無理。 ].Def.4
よって,ACが二つの中項面積の和に等しい正方形の辺と呼ぶ。
Lemma
前述の無理線分がただ一つの方法で 二つの線分に分けられることをLemmaにおいて証明する。
ABを直線とし,全体を異なるように,点C,Dで分ける。
ACはDBより大きいとする。
AC,CB上の正方形の和はAD,DB上の正方形の和より, 大きくなることを示す。
ABをEで二等分する。
DCを引くと,ACはDBより大きいので, 残りのADは残りのCBより大きい。
ここで,AEはEBと等しい。よって,DEはECより小さい。
よって,点C,Dは二等分した点から等距離ではない。
長方形AC,CBとEC上の正方形の和は,EB上の正方形と等しい。
更に,長方形AD,DBとDE上の正方形の和は,EB上の正方形と等しい。
よって,長方形AC,CBとEC上の正方形の和と 長方形AD,DBとDE上の正方形の和は等しい。 U.5
DE上の正方形はEC上の正方形よりも小さい。
よって,残りの長方形AC,CBは長方形AD,DBより小さい。
そして長方形AC,CBの二倍も長方形AD,DBの二倍より小さい。
よって,残りAC,CB上の正方形の 和はAD,DB上の正方形の和より大きい。
証明終了