命題78
「もし線分からそのせん分全体と平方において通約不可能な線分がひかれ,全体とひかれた線分上の2つの正方形の和を中項面積とし,それらが囲む長方形の2倍と通約不可能になるようにするならば,残りは無理線分である。
そして,2つの中項面積の差に等しい正方形の辺と呼ばれる」
直線ABから直線BCがひかれたとし,BCはABと平方において通約不可能で与えられた条件を満たすとする。
].35
残りのACが2つの中項面積の和に等しい正方形の辺と呼ばれる事を示す。
有理線分をDIとし,DI上にAB上,BC上の正方形の和に等しく,DGを幅とするDEをつくる。長方形AB,BCの2倍に等しいDHをDEからひくと残りのFEはAC上の正方形と等しい。よって,ACはFEに等しい正方形の辺である。
U.7
ここでAB上,BC上の正方形の和は中項でDEと等しい。よって,DEは中項。
そして,DEはDI上にあり,DGを幅とする。よってDGは有理でDIと長さにおいて通約不可能である。
].22
また,長方形AB,BCの2倍は中項でDHと等しいのでDHは中項である。そして,DHはDI上にあり,DFを幅とするのでDFも有理でDIと長さにおいて通約不可能である。
].22
AB上,BC上の正方形の和は長方形AB,BCの2倍と通約不可能なので,DEはDHと通約不可能である。
ここで,DEがDHに対するようにDGがDFに対する。
].11
Y.1
よって,DGはDFと通約不可能。
そして,両方とも有理。よってFGは余線分。
].73
そして,FHは有理。ここで,有理線分と余線分でできる長方形は無理で,それに等しい正方形の辺は無理。そしてACはFEに等しい正方形の辺である。
よってACは無理である。
].20
証明終了
第10巻命題77へ
第10巻命題79へ
第10巻目次へ