命題4
「与えられた三角形に円を内接すること」
与えられた三角形をABCとせよ。
三角形ABCに円を内接することが要求されている。
線分BD、CDで角ABC、ACBを2等分し、これらを点Dで互いに交わるとせよ。Dから線分AB、BC、CAに垂直なDE、DF、DGをひきなさい。命題T.9
いま、角ABDは角CBDと等しく、直角BEDも直角BFDと等しいので、EBD、FBDは2角が2角と等しく、1辺が1辺と等しい、つまり等しい角の1つに対する共通の辺BDをもつ2つの三角形である。それゆえ、それらはまた残りの辺を残りの辺と等しくするであろう。それゆえ、DEはDFと等しい。命題T.26
同様な理由で、DGもDFと等しい。
それゆえ、3線分DE、DF、DGは互いに等しい。それゆえ、中心をD、半径をDE、DF、DGのうちの1つをもってかかれる円も残りの点を通り、点E、F、Gにおける角は直角であるため、線分AB、BC、CAと接する。
なぜなら、円がそれらと交わるならば、円の直径にその両端から直角にひかれた線分は円の内部におちることになるであろう。これは不合理であることが証明された。それゆえ、中心をD、半径をDE、DF、DGのうちの1つをもってかかれる円は線分AB、BC、CAと交わらない。それゆえ、それらと接し、円は三角形ABCに内接する。命題V.16,定義W.5
FGEのように内接するとせよ。
それゆえ、円EFGは与えられた三角形ABCに内接している。
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