命題97
「余線分でできた正方形に等しい長方形が有理線分上につくられるならば、第1の余線分を幅とする」
ABを余線分、CDを有理線分とし、CD上にABでできた正方形に等しくCFを幅とする長方形CEがつくられたとする。
CFが第1の余線分であることを示す。
AG,GBでできた正方形の和は有理面積でDMはAG,GBでできた正方形の和に等しいので、DMは有理面積である。
有理線分CD上にCMが幅としてつくられる。 よって、CMは有理線分で、CDと長さおいて通約可能である。 ].20
また、長方形AG,GBの2倍は中項面積でFLは長方形AG,GBの2倍に等しいので、FLは中項面積である。有理線分CD上にFMが幅としてつくられる。よって、FMは有理線分でCDと長さにおいて通約不可能である。 ].22
AG,GBでできた正方形は有理面積で長方形AG,GBの2倍は中項面積なので、AG,GBでできた正方形の和は長方形AG,GBの2倍と通約不可能である。
CLはAG,GBでできた正方形の和に等しく、FLは長方形AG,GBの2倍に等しい。よって、DMはFLと通約不可能である。
また、DMがFLに対するようにCMがFMに対する。 ゆえに、CMはFMと長さにおいて通約不可能である。 Y.1 ].11
CM,FMは有理線分なので、CM,FMは平方においてのみ通約可能な有理線分である。よって、CFは余線分である。 ].73
次に、第1の余線分であることを示す。
長方形AG,GBはAG,GBでできた正方形の比例中項で、CHはAGでできた正方形に等しく、KLはBGでできた正方形に等しく、NLは長方形AG,GBに等しいので、NLはCH,KLの比例中項である。よって、CHがNLに対するようにNLがKLに対する。
また、CHがNLに対するようにCKがNMに対し、NLがKLに対するようにNMがKMに対する。 よって、長方形CK,KMはNMでできた正方形すなわちFMでできた正方形の4分の1に等しい。 Y.1 Y.17
AGでできた正方形はGBでできた正方形と通約可能なので、CHはKLと通約可能である。
また、CHがKLに対するようにCKがKMに対する。 よって、CKはKMと通約可能である。 Y.1 ].11
CM,MFは不等な2線分でFMでできた正方形の4分の1に等しく正方形だけ欠けている長方形CK,KMがCM上につくられ、CKはKMと通約可能なので、CMでできた正方形はMFでできた正方形よりCMと長さにおいて通約可能な線分でできた正方形だけ大きい。 ].17
CMは定められた有理線分CDと長さにおいて通約可能である。よって、CFは第1の余線分である。 ].Def.V.2
したがって,余線分でできた正方形に等しい長方形が有理線分上につくられるならば、第1の余線分を幅とする。
証明終了