命題101
「中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺上の正方形に等しい長方形が有理線分上に作られるならば，第5の余線分を幅とする」
中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺をABとし，CDは有理線分であるとし，AB上の正方形に等しくCFを幅とするCEがCD上に作られるとする。
CFが第5の余線分であることを示す。
そしてそれは有理線分CD上に作られCMを幅とするので，ゆえにCMは有理でCDと通約不可能である。 Ⅹ.22
全体のCLはAG上，GB上の正方形の和に等しく，これよりCEはAB上の正方形に等しく，ゆえに残りのFLは長方形AG,GBの2倍に等しい。 Ⅱ.7
FMはNで2等分され，Nを通りCDかMLのどちらかに平行な直線NOが引かれたとする。そのとき，長方形FOとNLはともに長方形AG,GBに等しい。
また，長方形AG,GBの２倍は有理でFLに等しく，ゆえにFLは有理である。
そしてそれは有理線分EF上に作られFMを幅とするので，ゆえにFMは有理でCDと長さにおいて通約可能である。 Ⅹ.20
さて，CLは中項で，FLは有理で，ゆえにCLはFLと通約不可能である。
また，CLがFLに対するようにCMはMFに対し，ゆえにCMはMFと長さにおいて通約不可能である。 Ⅵ.1 Ⅹ.11
また，両方とも有理で，ゆえにCMとMFは平方においてのみ通約可能な有理線分である。ゆえに，CFは余線分である。 Ⅹ.73
次に第5の余線分であることを示す。
同様にして，長方形CK,KMがGB上の正方形，すなわちFM上の正方形の4分の1に等しい。
また，AG上の正方形はGB上の正方形と通約不可能で，AG上の正方形はCHに等しく，GB上の正方形はKLに等しいので，ゆえにCHはKLと通約不可能である。
CHがKLに対するようにCKはKMに対し，ゆえにCKはKMと長さにおいて通約不可能である。 Ⅵ.1 Ⅹ.11
CMとMFは２つの等しくない線分なので，FM上の正方形の4分の1に等しく正方形だけ欠けている平行四辺形がCM上に作られ，通約不可能な2つの部分に分ける。ゆえに，CM上の正方形はMF上の正方形よりCMと通約不可能なせん分上の正方形だけ大きい。 Ⅹ.18
また，たされたFMは定められた有理線分CDと通約可能で，ゆえにCFは第5の余線分である。 Ⅹ.Def.Ⅲ.5
したがって，中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺上の正方形に等しい長方形が有理線分上に作られるならば，第5の余線分を幅とする
証明終了