命題81
「第2の中項余線分にはそれに付加されて全体と平方においてのみ通約可能で,全体と中項面積を囲む1つだけの中項線分がある」
ABを第2の中項余線分とし,BCが付加されたとする。そのとき,ACとCDは平方においてのみ通約可能で,長方形AC,CBは中項。
].75
ABは他に条件を満たすような中項線分が付加されない事を示す。
可能ならば,BDが付加されたとする。そのとき,AD,DBは平方においてのみ通約可能で長方形AD,DBは中項である。
].75
有理線分をEFとする。AC上,CB上の正方形の和に等しくEMを幅とするEGが作られたとする。EGから長方形AC,CBの2倍と等しくHMを幅とするHGが引かれたとする。そのとき,残りのELは,AB上の正方形と等しくABはELに等しい正方形の1辺である。
U.7
また,AD上,DB上の正方形の和に等しくENを幅とするEFがEI上に作られたとする。
ここで,ELはAB上の正方形に等しいので,残りのHIは長方形AD,DBの2倍と等しい。
U.7
ACとCBは中項線分なので,AC上,CB上の正方形の和も中項である。そしてそれは,EGと等しいので,EGも中項。
].15
EFは有理線分でEMを幅とするので,EMはEFと長さにおいて通約不可能な有理線分である。
].22
また,長方形AC,CBは中項なので2倍も中項。そしてそれはHGと等しい。よって,HGも中項。
EFを有理線分とし,HMを幅とするので,HMはEFと長さにおいて通約不可能な有理線分である。
].22
ACとCBは平方においてのみ通約可能。よって,ACとCBは長さにおいて通約不可能である。
ここで,ACがCBに対するように,AC上の正方形が長方形AC,CBに対する。よって,AC上の正方形は長方形AC,CBと通約不可能である。
].11
ここで,長方形AC,CBの2倍は長方形AC,CBと通約可能なので,AC上,CB上の正方形の和は,AC上の正方形と通約可能。よって,AC上,CB上の正方形の和は長方形AC,CBの2倍と通約不可能。
].6
]13
そして,EGはAC上,CB上の正方形の和に等しく,GHは長方形AC,CBの2倍と等しい。よって,EGはHGと通約不可能。
ここで,EGがHGに対するように,EMがHMに対する。よって,EMはMHと長さにおいて通約不可能。
Y.1
].15
そして,両方とも有理。よって,EMとHMは平方においてのみ通約可能な有理線分であある。よって,EHは余線分で,HMはそれに付加される。
].73
同様に,HNも付加される事が証明される。よって,余線分に全体と平方においてのみ通約可能な異なる2つの線分が付加されるのは不可能。
].79
よって,第2の中項余線分にはそれに付加されて全体と平方においてのみ通約可能で,全体と中項面積を囲む1つだけの中項線分がある
証明終了
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