命題99
「第2の中項余線分上の正方形に等しい長方形が有理線分上に作られるならば,第3の余線分を幅とする」
ABを第2の中項余線分とし,CDを有理線分とする。そしてCD上にAB上の正方形に等しくCFを幅とするCEがつくられたとする。
CFが第3の余線分であることを示す。
ここでCLはAG上,GB上の正方形の和に等しい。そしてCEはAB上の正方形に等しい。よって,残りのLFは長方形AG,GBの2倍と等しい。 U.7
FMをNで二等分する。CDと平行にNOをひくとする。そのときFOとNLのそれぞれは長方形AG,GBに等しい。
しかしここで長方形AG,GBは中項である。よってFLも中項。
そしてそれは有理線分EF上にあり,FMを幅とする。よってFMはCDと長さにおいて通約不可能な有理線分である。 ].22
AGとGBは平方においてのみ通約可能なのでAGはGBと長さにおいて通約不可能。よってAG上の正方形も長方形AG,GBと通約不可能である。 Y.1 ].11
しかしここで,AG上,GB上の正方形の和はAG上の正方形と,長方形AG,GBの2倍は長方形AG,GBと通約可能なので,AG上,GB上の正方形の和は長方形AG,GBの2倍と通約不可能である。 ].13
しかしここで,CLはAG上,GB上の正方形の和に等しく,FLは長方形AG,GBの2倍に等しい。よってCLはFLと通約不可能である。
しかしここでCLがFLに対するようにCMがFMに対する。よってCMはFMと長さにおいて通約不可能である。 Y.1
そして両方とも有理。よって,CMとMFは平方においてのみ通約可能な有理線分である。よってCFは余線分である。 ].73
次に第3の余線分であることを示す。
AG上の正方形はGB上の正方形と通約可能なのでCHもKLと通約可能,よって,CKもKMと通約可能である。 Y.1 ].11
長方形AG,GBはAG上の正方形,GB上の正方形の比例中項である。CHはAG上の正方形に等しく,KLはGB上の正方形に等しい。そしてNLは長方形AG,GBに等しい。よって,NLはCHとKLの比例中項である。よってCHがNLに対するようにNLがKLに対する。
CHがNLに対するようにCKがNMに対する。そして,NLがKLに対するようにNMがKMに対する。よってCKがMNに対するようにMNがKMに対する。よって長方形CK,KMはMN上の正方形に等しい。つまり,FM上の正方形の4分の1である。 Y.1 X.11
CMとMFは二つの異なる直線である。そして,FM上の正方形の4分の1に等しく正方形だけ欠けている長方形がCM上に作られるならばそれは通約可能な部分にわけられる。よってCM上の正方形はMF上の正方形よりCMと通約可能な直線上の正方形だけ大きい。 ].17
CMもMFも有理線分CDと長さにおいて通約不可能である。 よってCFは第3の余線分である。 ].Def.V.3
したがって,第2の中項余線分上の正方形に等しい長方形が有理線分上に作られるならば,第3の余線分を幅とする。
証明終了